家を買わなくても、借りている部屋を“自分の城”に変えられる時代が来ました。この記事では、DIYができる賃貸物件の探し方から、壁や床のかんたん改造、防音対策、退去時の原状回復までをていねいに解説します。
DIY賃貸とは何か?最近のトレンドと可能な範囲
DIY賃貸とは、借主(入居者)が賃貸住宅の内装を自由に改造できる賃貸物件や契約形態のことです。従来、賃貸では退去時に壁紙や床を元通りに戻す「原状回復義務」があるのが普通でした。しかしDIY賃貸では契約時に取り決めをすることで、借主負担で行った改修について退去時の原状回復義務が免除されます。
実際、約半数(46.9%)の賃貸入居者がこのDIY型賃貸契約を利用してみたいと考えており、従来の賃貸では難しかった「賃貸でも自由にリフォームしたい」というニーズが顕在化しています。
しかし費用負担が難しく空室が埋まらない古い物件も増えています。そこで借主が自分で内装をリフォームする代わりに、貸主は家賃を安く設定したり原状回復を免除したりするDIY賃貸が登場しました。
一方で、貸主にとっては「借主が長く住んでくれやすい」という効果が期待できる反面、借主の好みによる改造が次の入居者に合わないリスクもあります。
ではDIY賃貸でどこまで可能か?
基本的には契約で許可された範囲で内装を自由に変えられます。例えば壁紙の張替え、塗装、床材の変更、棚の設置など、室内の構造に影響しない改造が典型です。
要点として、DIY賃貸は通常の賃貸契約に特約を付けてDIYを許可するスタイルが多く、契約内容次第で可能な範囲が決まります。「壁紙と床の変更のみOK」「構造に影響なければ基本何でもOK」「退去時原状回復なし」など様々です。次章で、その契約時の取り決めや原状回復ルールについて詳しく見てみましょう。
賃貸での原状回復ルールとDIYの注意点
賃貸物件における原状回復とは、「借主の居住によって生じた損耗やキズのうち、通常使用の範囲を超えるものを元の状態に復旧すること」とガイドラインで定義されています。簡単に言えば、普通に暮らしていれば生じる経年劣化は除き、借主の不注意や改造で生じた傷みを直して返す義務のことです。
例えば「壁にペンキを塗る」「壁に穴を開けて棚を付ける」といった行為は、退去時に壁紙張替え費用などを請求される可能性があります。どこまでが許容範囲かはトラブルになりやすく、画鋲程度の穴でも揉めるケースもあります。また貸主の許可なく大きな改造をすると契約違反になる場合もあるため注意が必要です。
原状回復のルール確認ポイント
賃貸でDIYを楽しむには、まず契約上のルールと原状回復範囲を把握することが大切です。契約書や重要事項説明書を確認し、以下の点をチェックしましょう。
模様替えや改造に関する特約の有無
例えば「壁紙の変更は借主負担で可」「原状回復は一部不要」等の記載がないか確認します。
原状回復の具体的範囲
国交省のガイドラインを参考に、通常損耗と判断される範囲と借主負担となる範囲が書かれているか。
貸主への事前許可が必要な行為
一般に「釘打ち禁止」「ペット不可」などと同様に、改装について禁止・許可事項が記載されている場合があります。もし契約上DIYに関する言及がない場合は、必ず貸主や管理会社に相談しましょう。勝手に大型のDIYをして退去時に現状復旧できないと、高額な補修費用請求につながりかねません。
DIYを行う際の事前取り決め(特約)の重要性
近年普及しているDIY型賃貸借では、契約時にDIYに関する特約を結ぶのが一般的です。国土交通省もトラブル防止のため、DIY可能とする場合は事前に貸主・借主で合意書を取り交わすよう推奨しています。特約で明記すべき典型的なポイントは以下の通りです。
改造内容と範囲の明確化
どの部屋のどの部分にどんなDIYをして良いか具体的に合意しておきます。例えば「居室内の壁紙張替えと床材変更を許可」「構造躯体に影響する工事は禁止」など。
退去時の原状回復の有無
DIYで手を加えた箇所を退去時に元に戻すかどうかを決めておきます。特約で「改修部分の原状回復義務を免除する」と記載すれば、退去時そのままでOKになります。
DIYで設置した設備・造作の所有権:取り付けた棚や床材などを退去時に残していくのか撤去するのか、残す場合その所有権は貸主に帰属するのかを決めます。
DIY施工中の責任範囲
工事中に発生した近隣への騒音・ホコリ被害や、事故・ケガが起きた場合の責任は誰が負うかを取り決めます。通常は作業する借主側が注意義務を負い、重大な損害が出た場合は借主負担となる旨を合意しておく必要があります。
工事期間や近隣周知
いつからいつまで工事を行うか、事前に隣人へ告知するかなどのマナー面も決めておくと安心です。このような特約を結んでおけば、後々「ここまでやって良いとは聞いてない」「原状回復するはずでは?」といったトラブルを避けられます。
DIY可能な賃貸物件の種類と探し方
「自分もDIYできる賃貸に住みたい!」と思ったら、まずはDIY可物件を探すことから始めましょう。最近は賃貸情報サイトでも「DIY可」「リノベーション可」などの条件で検索できるようになってきました。
DIY可能物件の探し方(ネット検索編)
不動産ポータルサイトでは、物件検索の絞り込み条件に「DIY可」「原状回復不要」などを設定できるところがあります。例えば大手サイト「アットホーム」は「DIY可の賃貸物件特集」を組んでおり、「自由にリフォームできる物件でお好みの内装にできる」と紹介しています。
例えば愛知県住宅供給公社では「賃貸住宅deDIY」としてDIY可能な物件を紹介しています。このように、公的機関やUR都市機構、地方の不動産会社も独自にDIY歓迎の物件情報を発信しているので見逃せません。
二拠点生活で地方の古民家を借りてセルフリノベする人も出てきており、ネット検索と合わせて地域の情報をチェックするのがおすすめです。
≫ デュアルライフ(二拠点生活)のメリット・デメリット徹底解説
内見時に見るポイント・交渉ポイント
DIY可物件を見つけたら、実際に内見(下見)に行って確認すべきポイントがあります。通常の物件選びに加えて、DIY前提ならではのチェックやオーナーとの交渉ポイントを押さえましょう。
部屋の現状と傷み具合
壁や床の状態を確認します。古く傷んでいるほどDIYしがいがありますが、構造的なダメージ(雨漏り跡や床の傾き等)があるとDIYでは対処できません。「現状有姿」で貸す物件の場合、補修が必要な箇所を見極めることも大切です。
壁や天井の材質
コンクリート壁か石膏ボード壁かで、施工できる内容が変わります。石膏ボードなら画鋲やビス留めがしやすいですが、コンクリ壁だと下穴が必要でDIYの難易度が上がります。天井や柱の材質も要チェックで、木製なら突っ張り棚が立てやすい等の判断材料になります。
コンセント・配管の位置
キッチンをDIYで改造したい場合など、コンセントの場所や数、水道管の配置を確認しておきます。追加工事なしで配置換えできるかイメージしましょう。
音の響き具合
子どもの足音対策など防音DIYを考えるなら、床を踏んだ感触や隣室との壁の厚みも見ておきます。実際に足踏みしてみて響くようなら、防音マット設置が必要だとわかりますし、鉄筋コンクリート造か木造かでも防音計画が変わります。
オーナーへのヒアリング
内見時に具体的に何をDIYしたいかオーナー(または管理会社)に相談してみましょう。「壁に棚を付けたいのですが…」など聞けば、その場でOKかNGか教えてくれることもあります。OKの場合でも「では契約時に特約で明記してください」とお願いしておくと安心です。逆に渋るようなら後々トラブルになる可能性もあるので、その物件は再考しましょう。
空き家や古民家を使ったDIY賃貸の事例
最近増えているのが、空き家や古民家を再生したDIY可賃貸です。地方を中心に長年空室だった家屋を「内装自由」にして貸し出し、借主自らリノベーションして住んでもらう試みが各地で見られます。
また空き家を使ったDIY賃貸では、地域のNPOや自治体が仲介して道具の貸出やリフォーム講座を開催するなどサポート体制を整えている場合もあります。 都市部でも、古いアパートの一室を借主がセルフリノベしておしゃれな空間に変えた事例があります。
空き家・古民家の場合、構造自体が古く傷みもあるためDIYのハードルはやや高めですが、その分「自分で家を蘇らせた」という達成感や愛着は大きいようです。「家賃格安+改修自由」の条件で借りて、自分好みに直しながら住むスタイルは、リゾート地にセカンドハウスを借りる二拠点生活者にも人気が出てきています。
成功例ばかりでなく、借りてみたら想像以上にボロボロで手に負えず途中で退去…なんて失敗例も耳にします。古い物件ほど事前によく状態を確認し、無理なくDIYできる範囲か見極めることが大切です。
URや公的機関が提供するDIY可能賃貸制度【原状回復なしOKの裏技】
公的な住宅機関も、近年DIY可能な賃貸制度を打ち出しています。代表的なのがUR賃貸住宅(都市再生機構)の「DIY住宅」です。URでは一般的な賃貸で必要となる原状回復義務を免除し、入居者が思い切りDIYできる特定物件を提供し始めました。
入居後すぐに施工に取り掛かれるよう、通常より早めに鍵を渡してくれたり、場合によっては初月の家賃を安く設定したりといった支援策もあります(物件により異なる)。 地方の住宅供給公社もDIY賃貸に積極的です。
他にも東京都住宅供給公社(JKK東京)ではDIY住宅を契約すると家賃割引などの応援制度を用意したり、兵庫県では神戸R不動産と連携して公社賃貸のDIYリノベを支援する仕組みがあったりと、公的機関発のDIY賃貸制度が各地に広がっています。さらには福岡県でも名島団地で「届出書提出で原状回復なしOK! DIY特典あり」といった取り組みがされています。
これらの制度を利用すれば、DIY初心者でも専門家のサポートを受けながら安全に進められます。「興味はあるけど自分一人では不安…」という方は、公的機関のDIYプランに応募してみるのも良いでしょう。
賃貸DIYでできるインテリア改造アイデア集【原状回復OKの裏技】
ここからは具体的に、賃貸でもできるインテリア改造のアイデアを分野別に紹介します。原状回復OKで楽しめるDIY術ばかりなので、ぜひ自分の部屋で実践してみてください。
壁をオシャレに変えるDIYアイデア
賃貸の雰囲気をガラッと変えるなら壁の模様替えが効果的です。おすすめは、貼って剥がせる壁紙シートを使う方法。最近は裏に粘着剤がついていて、水も糊も不要で貼れる壁紙が市販されています。
好きな柄のマステで壁にストライプ模様を作ったり、コーナーに額縁風の装飾をするだけでもおしゃれ度アップ。 さらに大きなコルクボードを壁に立てかけてフォトコーナーにするアイデアも◎です。
ただし壁紙の上からペンキを塗ると後で剥がすのが大変なので要注意です(実際、壁紙に塗装した塗料が下地に染み込み、剥がすのに通常より3日多くかかった例もあります)。初心者はまずシール式壁紙などリバーシブルな方法から試すのがおすすめです。
床を模様替えするDIYアイデア
床の色柄を変えると部屋の雰囲気が一変します。賃貸OKな床材として注目なのがフロアタイルやクッションフロアシートです。こちらも最近は「置くだけ」「貼って剥がせる」タイプのものが販売されています。
タイルカーペットは50cm角程度の正方形カーペットで、並べて敷くだけでOK。汚れた部分だけ外して洗えるのでメンテナンスも楽です。ジョイントマットはEVA樹脂などでできたパズル状のプレイマットで、厚みがあり防音にも役立ちます。
収納や間仕切りを工夫するDIYアイデア
賃貸で収納や間取りを改善したい場合は、突っ張り棒や専用金具を使ったDIYが役立ちます。壁に穴を開けられなくても、床と天井で突っ張るタイプの棚受け金具(商品名: ディアウォールやラブリコ等)を使えばしっかり固定できます。
例えばリビングの一角に突っ張り柱を2本立てて板を張れば簡易のパーテーションに。パーテンションをプチDIYリノベの事例では、6時間・約25,000円で部屋の真ん中にオシャレな間仕切り壁を作っています。賃貸では広いワンルームを仕切って使いたいニーズもあるので、こうした穴を開けない間仕切りDIYはとても便利です。
その他、小物収納には吸盤タイプやマグネットタイプのフックも活躍します。浴室のタイル壁やキッチンのステンレス面には吸盤フックを使えば傷を付けずに収納力アップ。冷蔵庫側面など磁石の付く場所にはマグネット式のラックを付けて調味料棚にするなど、工夫次第で「貼って剥がせる収納」が実現できます。
キッチン・水回りのプチDIYアイデア
賃貸のキッチンや洗面所も、DIYで使い勝手よくオシャレに変えられます。例えばキッチンの壁(キッチンパネル)にリメイクシートを貼ると雰囲気が一新。タイル柄やカフェ風レンガ柄の防水シートを貼れば、殺風景なキッチンが楽しい空間になります。これも剥がせるタイプを使えば退去時安心です。
また、キッチンにディッシュラック(突っ張り式の水切り棚)を設置したり、シンク下に突っ張り棒で収納棚を作ったりするのも定番テクです。どれも穴を開けずに空間を有効活用でき、賃貸暮らしを快適にしてくれます。
実際、コクヨの「ひっつき虫」やダイソーの「粘着タック」といった綺麗に剥がせる接着剤も市販されており、壁にちょっとしたフックを付けたいときに重宝します。このように、キリがないほど様々なDIYアイデアがありますが、共通するコツは「後で簡単に原状回復できるか?」を常に考えることです。
騒音や近隣トラブルを防ぐDIY防音工夫
賃貸暮らしで意外と多い悩みが生活音による近隣トラブルです。特に小さなお子さんがいる家庭では「子どもの足音が階下に響かないか心配…」という声も。そこで、防音対策に役立つDIY術を紹介します。どれも賃貸で実践しやすい工夫なので、騒音トラブル防止に役立ててください。
床の防音対策アイデア
衝撃音(ドスンドスンという足音)対策には、床に敷物を重ねるのが有効です。まず手軽なのはジョイントマットやコルクマットを床一面に敷き詰める方法です。厚さ1cm程度のクッション性があるマットを敷くだけで、走り回ったときの床への衝撃をかなり和らげられます。さらにその上に防音カーペットを敷くと効果倍増。
正方形タイプをリビングに何枚か置くだけでも、防音と和テイストの両方を楽しめます。 防音目的なら、床全面を覆うくらい思い切って敷くのがポイントです。部分的だと結局そこ以外から音が出てしまうので、ラグも極力大きめサイズを選びましょう。
壁・窓の防音対策アイデア
テレビや楽器の音、話し声などの空気音対策には、壁と窓の防音が重要です。まず壁には吸音パネルや遮音シートを貼る方法があります。市販のウレタンやポリエステル製の吸音パネルを両面テープで貼れば、壁に当たる音を吸収できます。また薄手の遮音シート(鉛シートなど)を壁に貼ると音の透過自体を抑えられます。
大きな本棚やタンスを防音したい壁際に置くと、それ自体が音を遮る壁の役割を果たします。さらに子どもが壁を叩いてしまう場合でも、手前に家具があれば直接壁を叩けないので被害軽減になります。家具が倒れないよう耐震・転倒防止策は忘れずに。窓から音が漏れる場合は、厚手の防音カーテンが効果的です。遮音等級表示のあるカーテンを二重(レースも防音タイプに)で掛ければかなり音漏れが違います。
ドアや生活設備の防音対策アイデア
意外と響くのがドアの開け閉め音や椅子の脚音です。これも簡単DIYで対策できます。例えば椅子の脚にフェルトカバーを履かせると、床に引きずる音がかなり静かになります。100円ショップで脚カバーが手に入るので、ダイニングチェアなどには必ず付けましょう。
ドア枠に沿ってクッションテープを貼れば、閉まる音を吸収し衝撃も和らげます。ドアの隙間風防止にもなる一石二鳥アイテムです。 最後に、防音対策ではありませんが生活時間の工夫も大切です。どんなに防音しても深夜のドタバタは響きます。
原状回復に役立つアイテム&補修方法
賃貸DIYを楽しんだら、いずれ来る退去時には原状回復もきちんとして円満退居したいですよね。ここでは原状回復に便利なアイテムや補修テクニックを紹介します。事前に用意しておけば、いざ退去という時に慌てず対処できます。
穴埋めパテ&補修剤
画鋲穴やネジ穴程度なら、市販の「穴埋めパテ」を充填すれば埋められます。壁紙用の補修キットにはクロス用のりや穴埋め材、ヘラなどがセットになったものもあり、誰でも簡単に小さな穴を補修できます。また壁の小さなキズには補修用クレヨンやマーカーも便利です。木目の色に合わせたクレヨンを塗り込めば、床や扉のひっかき傷が目立たなくなります。100均でも木目用の傷隠しマーカーが買えるので用意しておきましょう。
接着剤・テープ剥がし
両面テープやシールを使った後には、シール剥がしスプレーがあると安心です。糊残りを綺麗に落とせるので、壁紙を傷めずに済みます。マスキングテープを剥がす際も、ゆっくり丁寧に剥がせば大丈夫ですが、万一壁紙表面が少し剥げてしまったら補修用のりで貼り戻すと良いでしょう。
ペイントリムーバー
もし壁を塗装してしまっていて原状復帰が必要な場合、塗料を落とすリムーバー剤があります。ただし壁紙に染み込んだ塗料は落とせないので、この場合は壁紙ごと張替える覚悟が必要です。塗装系DIYはリスクが高いので、事前にオーナーと「退去時は借主負担で全面クロス張替え」など合意しておくと安心です。
掃除道具
原状回復は「クリーニング」も含まれます。DIYとは少し離れますが、エアコン内部のホコリ、キッチンの油汚れ、水回りのカビなどは専門業者クリーニングになると高額請求されることも。日頃から掃除しておくか、退去前に自分で徹底掃除しておけば敷金が多く戻ってくる可能性もあります。
なお、DIY型賃貸契約で原状回復免除になっている場合でも、汚れたまま退去はマナー違反です。借主負担で付けた設備も、次の入居者が使いやすいよう綺麗にして引き渡すのが理想です。せっかく自分で手を加えたお部屋ですから、最後まで責任を持ってきれいに送り出してあげましょう。
DIY素材・アイテムの比較表(価格・入手先・原状回復のしやすさ)
最後に、賃貸DIYに役立つ主要な素材・アイテムについて価格や入手先、原状回復のしやすさを比較表にまとめました。計画や買い物の参考にしてください。
アイテム | 価格目安 | 入手先 | 原状回復のしやすさ |
---|---|---|---|
貼って剥がせる壁紙シート | ¥3,000~¥5,000/巻(5m程度) | ホームセンター、通販、専門店 | ◎(綺麗に剥がせる) |
リメイクシート(家具・キッチン用) | ¥500~¥1,500/枚(大判) | 100円ショップ、ホームセンター | ◎(糊残り少なく剥がせる) |
ディアウォール等突っ張り棚金具 | ¥1,000~¥2,000/セット | ホームセンター、通販 | ◎(跡が残らない) |
タイルカーペット | ¥500~¥800/枚 | ホームセンター、インテリア店 | ◎(敷くだけでOK) |
ジョイントマット(防音マット) | ¥2,000前後(30cm角×8枚) | ホームセンター、通販、ベビー用品店 | ◎(敷くだけでOK) |
吸音パネル | ¥1,000~¥3,000/枚 | 防音専門店、通販 | ○(貼ったテープを剥がすだけ) |
貼って剥がせるフック類 | ¥100~¥500/個 | 100円ショップ、雑貨店 | ◎(綺麗に剥がせる) |
穴埋めパテ・補修クレヨン | ¥300~¥800 | ホームセンター、100円ショップ | -(原状回復そのもの) |
※「原状回復のしやすさ」は、◎:非常に容易、○:容易、△:やや注意、-:補修用品のため適用外、を示します。
この表を見るとわかる通り、最近は賃貸OKの便利グッズが豊富です。「貼って剥がせる◯◯」と名の付く商品は概ね原状回復しやすいと考えて良いでしょう。価格も手頃なものが多く、100均で揃うものもあります。これらを上手に活用して、安く・楽しく・綺麗にDIYしちゃいましょう。
賃貸DIYの成功例・失敗例から学ぶ
最後に、実際の成功談・失敗談をいくつか紹介し、賃貸DIYの教訓をまとめます。
【成功事例】DIYで理想の住まいを実現!
ある20代の女性は、「カスタマイズ賃貸」というDIY可物件に入居し、初めてのDIYに挑戦しました。床材を貼り替え、壁紙も自分好みの色に塗装し、さらに友人と一緒にオリジナル家具まで作ったそうです。築46年の古い1DKが、緑を基調とした癒しのSOHO空間に大変身し、取材記事では「DIY初心者とは思えないほど見事な出来栄え」と絶賛されています。彼女は「手を動かすうちに部屋に愛着が湧き、ずっと住み続けたいと思えるようになった」と語っています。
また別のケースでは、築50年のUR団地に入居した初心者夫婦がコツコツとDIYを重ね、入居3年目の現在もリノベ進行形という事例もあります。床や壁はもちろん、押入れを改造してキッズスペースにするなど工夫し、古い団地が家族の理想の住まいに変貌しています。この夫婦はDIYイベントで知り合った他の入居者とも情報交換しながら進めたそうで、DIYがコミュニティづくりにも一役買っています。
さらに面白い成功例として、オーナーと借主が一緒にDIYをしたケースがあります。12年間で8回も引っ越してきたKさんという男性は、ある賃貸で初めて「この部屋に住み続けたい」と感じました。それは、オーナーと共同で壁紙貼りやペンキ塗りを行ったからだそうです。
自ら手を加えたことで部屋に愛着が湧き、貸主にとっても入居者に大事に使ってもらえるwin-winの結果となりました。「大家さんと一緒に取り組んだDIYが、部屋に愛着を感じたきっかけ」と語るKさんの例は、DIYが人と人をつなぐ楽しさも教えてくれます。
【失敗事例】ここに注意!原状回復トラブル
一方で、残念な失敗例もあります。ある大家さんの話では、10年以上住んでくれている優良入居者から「DIYしてもいいですか?」と相談され、「長く住んでくれるなら」と許可したところ、予想外の結果になったそうです。
見積もりに約3万円の追加費用が発生し、貸主が泣く泣く負担する羽目に。結局家主自身も家族総出で壁紙剥がしを手伝い、なんとか撤去したそうですが、「許可したのが間違いだった」と後悔したとのことです。
また貸主側も、許可するなら「退去時は自分で原状復帰してくださいね」と念押ししたり、保証金を多めに預かるなどリスクヘッジが必要です。 他にも、強力すぎる両面テープで貼ったものを剥がしたら壁紙まで剥がれたとか、床材を固定しようと釘を打ったら床下の配管を傷つけてしまったとか、小さなミスが大事になるケースはあります。
賃貸DIYで理想の暮らしを手に入れよう【まとめ】
賃貸だからとインテリアをあきらめる必要はもうありません。DIY賃貸という選択肢を知り、ルールを守りながら工夫すれば、借り物の部屋でも驚くほど自分好みの空間に変えられることがお分かりいただけたでしょうか。
さあ、次のお休みはホームセンターに出かけて材料を揃えてみませんか? 賃貸だからと遠慮せず、あなたの“やりたい”を形にできるDIY賃貸ライフをぜひ満喫してください。きっとその先には、「借り物の部屋」ではないあなただけの大切な我が家が待っています。