デュアルライフ(二拠点生活)のメリット・デメリット徹底解説

二拠点生活(デュアルライフ)とは? 移住

都市と地方、二つの拠点で暮らす「二拠点生活」は、両方の魅力を楽しめるライフスタイルです。リモートワークの普及で注目されていますが、費用や移動の負担など課題もあります。本記事ではメリット・デメリットから老後での活用、体験談や後悔しないポイントまで、二拠点生活を解説します。

  1. 二拠点生活(デュアルライフ)とは?
  2. 二拠点生活のメリット
    1. 両地域の魅力を満喫できる
    2. 生活にメリハリが出る
    3. 完全移住より挑戦しやすい
    4. 子育てで自然体験をさせられる
    5. 人脈やコミュニティが広がる
  3. 二拠点生活のデメリット・注意点
    1. 生活コストが増える(費用がかさむ)
    2. 移動に時間と体力を奪われる
    3. 場所によっては車が必須になる
    4. 住宅の維持管理が増える
    5. 人間関係(コミュニティ)の課題
  4. 二拠点生活の費用と住まい選び(賃貸・物件購入・サブスクなど)
    1. 賃貸で二拠点生活
    2. 物件を購入して二拠点生活
    3. 実家を活用して二拠点生活
    4. サブスクサービスを利用して二拠点生活
  5. 二拠点生活の費用イメージ比較
  6. 二拠点生活と「住民票・住民税」の手続き
    1. 住民票
    2. 住民税
    3. 定年後・老後の二拠点生活はどうなる?
  7. 子育て世代の二拠点生活 – 教育と家族の視点
  8. 一人暮らしで二拠点生活は可能?
  9. 二拠点生活の体験談から見る現実と後悔しないポイント
    1. 先輩たちの体験談・リアルな声
      1. 「費用が想像以上にかかった…」
      2. 「移動が疲れて続かなかった」
      3. 「地元に馴染めず孤独を感じた」
  10. 後悔しないためのポイント
    1. ① 事前にお試し体験をする
    2. ② コストと予算管理を徹底する
    3. ③ 移動負担を軽減する
    4. ④ 物件選びのポイントを押さえる
    5. ⑤ 人間関係にも配慮する
  11. 二拠点生活を始めるには?近場からのお試しでステップアップ
    1. 1. 近場で週末移住から始める
    2. 2. 短期レンタルや体験サービスを利用
    3. 3. 行きたい地域を比較・検討する
    4. 4. 家族や周囲ともしっかり話し合う
    5. 5. 小さくスタートし徐々に拡大
  12. 自分らしい二拠点生活で豊かな暮らしを【まとめ】

二拠点生活(デュアルライフ)とは?

二拠点生活

二拠点生活(デュアルライフ)とは、その名の通り二つの地域に生活拠点を置き、行き来しながら暮らすことです​。たとえば「平日は都市部で仕事をし、週末は地方の田舎で過ごす」といった暮らし方になります。コロナ禍以降にリモートワークが広がったことで、勤務地や住む場所の選択肢が増え、このスタイルが新しいライフスタイルとして注目されています。

一般的に「二拠点生活」や「デュアルライフ」とも呼ばれ、複数の場所に暮らすことから「多拠点居住」の一形態とも言えます。 二拠点生活を実践している人は、実は若い世代や子育て世代が多いのも特徴です。

ある調査では、実践者の半数以上が20~30代で、40.6%が子どもと同居する家庭だったと報告されています​。このことから、二拠点生活は必ずしも裕福なシニア層だけのものではなく、働き盛りの世代やファミリー層にも人気のライフスタイルであることが分かります。

また、この調査では二拠点生活を実施する世帯の世帯年収は800万円未満が約半数というデータもあり、地域の補助金や最近登場した住まいのサブスクサービスなどを活用すれば、工夫次第で幅広い層が実現できる暮らしです。

二拠点生活のメリット

二拠点生活のメリット

結論から言えば、二拠点生活には都市と田舎の「いいとこ取り」ができる魅力があります。主なメリットとして次の5点が挙げられます。

両地域の魅力を満喫できる

都市の便利さや刺激と、田舎の自然豊かな安らぎの両方を手に入れられるのが最大のメリットです。例えば都会での仕事や娯楽を楽しみつつ、週末は山や海の近くでスキーやサーフィンなど趣味に没頭する…という充実した暮らし方が可能になります。

生活にメリハリが出る

仕事をする場所とリフレッシュする場所を分けることでオン・オフの切り替えがしやすくなります。平日は都市部で仕事に集中し、休みの日は自然に囲まれた環境でリラックスすることで、心身のリフレッシュにつながり、結果的に仕事の効率も上がるという好循環が期待できます。

完全移住より挑戦しやすい

いきなり住まいも仕事も移住してしまうより、現在の生活基盤を維持しながら徐々に新しい地域で暮らし始められる点も魅力です。ハードルが低いため「いずれ地方に移住したいけど踏み切れない…」という人も、まず二拠点生活から試すことで無理なく移行できます。実際に二拠点生活を経て、最終的に片方に本格移住するケースもあります。

子育てで自然体験をさせられる

子育て世代にとって、自然豊かな環境で子どもを育てられるのは大きなメリットです。森や海でのびのび遊ぶ体験は、都会では得がたい貴重な学びになります。五感を使った遊びを通じて、机上では学べない生きた知識や豊かな感性を育めるでしょう。

人脈やコミュニティが広がる

二つの地域に生活圏を持つことで、地元の人との新たな繋がりが生まれます。週末に地域のイベントに参加したり、現地で趣味のサークルに入ったりすれば、新しい交友関係を築ける機会が増えます。普段の生活では出会えない多様な人々との交流は、自身の視野を広げたり刺激をもらえたりするでしょう。

こうしたメリットのおかげで、「人生を二倍楽しめている!」と感じている実践者も多くいます。ただし、メリットばかりに目を向けるのではなく、次に挙げるデメリットもしっかり把握しておくことが大切です。

二拠点生活のデメリット・注意点

二拠点生活を始めるにあたって注意すべき点も多数あります。メリットだけでなくデメリットも理解しておかないと、「こんなはずじゃなかった…」という後悔に繋がりかねません​。ここでは主なデメリットと現実的な注意点を確認しましょう。

生活コストが増える(費用がかさむ)

やはり二拠点生活には少なからずお金がかかる点は避けられません​。具体的には、二拠点分の家賃(または住宅ローン)や水道・光熱費などの固定費が二重に発生しますし、家具・家電も両方の住居に揃える必要があります。

さらに頻繁に移動するなら交通費(電車代やガソリン代)もばかになりません。このように維持費や生活費が増える現実は、二拠点生活の大きなハードルです。対策としては、地方の空き家を安く借りる、移動は高速バスなど格安手段を利用するなどコスト削減の工夫が勧められています​。

移動に時間と体力を奪われる

拠点間の行き来には時間も労力も必要です。特に毎週末ごとに遠距離を移動していると、それだけで「正直疲れる」のは想像に難くありません。移動時間が長ければ長いほど体力を消耗し、せっかくの休日も移動で終わってしまう恐れがあります。現に「移動が思った以上に負担で後悔した」という声もあります。

したがって二拠点目の場所は、できるだけ車や電車で1~2時間程度でアクセスできる近場にするのがおすすめです​。「近場二拠点」なら移動の疲れも少なく、日帰りも可能なので負担が軽減されます。

場所によっては車が必須になる

二拠点目が地方の山間部など公共交通が不便な地域だと、車なしでは生活が難しいケースもあります。その場合、普段車を持たない人は車の購入やレンタカー利用といった追加負担が必要です。運転免許がなければ取得から考えねばならず、人によってはハードルになります。二拠点目を選ぶ際は、その地域で車なしで生活できるかも確認しておきましょう。

住宅の維持管理が増える

家が二つになると、物件の維持管理の手間も二倍になります。留守にしている間に郵便物や庭の手入れ、家の防犯・防災対策など、気を配る事項が増えます。思わぬ設備トラブルが起きてもすぐ対応できないこともあり、これがストレスになる場合もあります。実際「二つの家の管理が予想以上に大変で後悔した」という声も報告されています​。

人間関係(コミュニティ)の課題

新しい地域に溶け込むのに時間がかかったり、逆に元々の友人や近所付き合いが希薄になる恐れも指摘されています。地域によっては「よそ者」として最初は警戒されるケースや、コロナ禍では他県ナンバーの車で来ると良く思われない、といった現実もありました。

また、自分が留守中に地域の行事が進み疎外感を感じる、といったこともあります。都市と田舎で文化や習慣が違うため戸惑うことも多く、理想と現実のギャップに後悔する原因になりやすいのです。

このように、二拠点生活にはお金・時間・労力・人間関係など様々な面で課題があります。ただし、しっかり対策をとればデメリットを軽減することも可能です。ここからは、費用面の工夫や住まい選びのポイントについて詳しく見ていきましょう。

二拠点生活の費用と住まい選び(賃貸・物件購入・サブスクなど)

二拠点生活の費用と住まい選び(賃貸・物件購入・サブスクなど)

二拠点生活を始めるうえで、費用負担をどう抑えるかと二拠点目の住まいをどう確保するかは大きなテーマです。「賃貸で借りる」「物件を購入する」「実家を活用する」「住宅サブスクを利用する」など、状況に応じた選択肢があります。それぞれの特徴やメリット・デメリットを見てみましょう。

賃貸で二拠点生活

二拠点目の住まいを賃貸物件で借りる方法です。最大のメリットは初期費用を抑えられ、柔軟に拠点を変えられる点です。気に入らなければ契約更新時に解約し別の地域に移ることも容易ですし、最初から家具家電付きの物件を借りれば出費も手間も軽減できます。

特に都市部在住者が地方にもう一つ家を借りる場合、地方の賃貸は家賃が安いことが多いため比較的負担は軽めです。ただし賃貸だと家賃がずっと発生し続けるため、利用頻度が低いともったいなさを感じるかもしれません。
例えば「月に1週間しか滞在しないのに家賃を払い続けるのは贅沢だが、元気に暮らすために必要な投資と割り切った」という60代女性の例もあります。また、地方だと借りたいエリアに希望する条件の物件が少ないケースもあり、選択肢が限られる可能性があります。

物件を購入して二拠点生活

思い切ってセカンドハウス(別荘)を購入する方法もあります。メリットは自分の好きなように家を使い込めることです。リフォームして快適な二拠点目を作り上げたり、将来的に本格移住する拠点として腰を据えて整備したりできます。固定資産として所有する安心感や、場合によっては資産価値の上昇も期待できるでしょう。

一方で、購入にはまとまった資金が必要ですし、維持費(固定資産税・修繕費など)もかかります。利用しない期間も維持費が発生する点でコスパは悪くなりがちです。また遠方の物件だとこまめな管理が難しく、空き家期間中の老朽化やトラブル対応など課題があります。

なお、地方の古民家など格安で購入できる物件も増えていますが、ローンを組む際には注意が必要です。購入先の地元銀行で融資を受けたい場合、住民票をその自治体に移す必要があるケースもあります​。資金計画や融資の条件も含めて、慎重に検討しましょう。

実家を活用して二拠点生活

もし親の実家や自分の故郷の家が利用できるなら、それを二拠点目として活用するのも有力な選択肢です。実家であれば新たな家賃負担もなく、子どもの頃から馴染んだ家で気楽に過ごせるという利点があります。親世代が健在であれば、一緒に過ごす時間を増やせるので親のサポートや孫との交流にもつながります。

実家活用の注意点としては、家のメンテナンスです。長く空けていた古い家の場合、住むために多少のリフォームや片付けが必要かもしれません。また親族と同居する場合は生活リズムの調整やプライバシーの確保など、あらかじめルール決めをしておくと良いでしょう。いずれにせよ費用面の負担が小さい分、心理的・物理的な負担をどう折り合い付けるかがポイントです。

サブスクサービスを利用して二拠点生活

近年登場した「多拠点居住サブスクリプション」サービスを利用する方法も注目されています。これは月額定額料金を支払うことで、全国各地の提携住宅やシェアハウス・ホテルに好きなときに滞在できるサービスです。代表的なものに「ADDress(アドレス)」や「HafH(ハフ)」などがあり、月数万円で日本各地の拠点を渡り歩ける手軽さが魅力です。

サブスクを使えば、自分で物件を契約・管理する必要がないため初期投資ゼロ・手間ほぼゼロで複数拠点生活を体験できます。また全国どこでも利用できるので、毎回違う地域に滞在する「旅するような二拠点生活」も可能です。二拠点どころか多拠点生活を満喫している人もいます。

一方で、利用できる物件や日数に制限があったり、他の利用者と共用するシェアハウス形式が中心だったりする点には留意が必要です。「定住」というより「お試し移住・旅」の色彩が強いため、腰を落ち着ける拠点というよりはフットワーク軽く各地を回りたい人向きです。将来的に拠点を絞るにしても、まずはサブスクで様々な地域に滞在し比較してみるのも賢い方法でしょう。

≫ 小樽市移住のメリットとデメリットとは?住みやすさを徹底調査

二拠点生活の費用イメージ比較

二拠点生活にかかる費用のイメージを、シングルで東京在住のケースで比較してみます。下表はあくまで一例ですが、1拠点暮らしと比べて住居費・光熱費・交通費が増加することが分かります。

項目 都市部のみの生活(1拠点) 都市+地方の生活(2拠点)
月々の家賃・住宅費 10万円(都市部の家のみ) 15万円(都市10万+地方5万)
月々の水道光熱費 1.5万円 2.0万円(2拠点分)
月々の交通費(目安) 1万円(通勤など) 3万円(通勤+二拠点間移動)
住民税・固定資産税など 1拠点分のみ 1拠点分+2拠点目の均等割
合計(月あたり) 約12.5万円 約20万円

(例:都市部メインの単身世帯で地方に賃貸物件を契約した場合の試算。実際の費用は地域や頻度によります)

この例では月々の支出が約1.6倍に増えています。もちろん、地方の物件を格安で借りたり移動頻度を減らしたりすればコストは下げられますが「生活費が増える覚悟」は必要​です。特に収入が現役時代より減る老後は、無理のない予算計画を立てることが肝心になります。

二拠点生活と「住民票・住民税」の手続き

二拠点生活を語るうえでよく出る疑問が、住民票や住民税の扱いです。基本的に住民票は複数の自治体に同時に置くことはできず、どちらか一方に定める必要があります。そのため都市部の元の住所に住民票を残すか、思い切って二拠点目の地方に移すか選択を迫られます。

住民票

結論としては、普段長く滞在する方の拠点に住民票を置くのがおすすめです。住民票がある自治体で各種行政サービス(ワクチン接種や選挙投票、図書館利用など)を受けることになるので、自分にとって生活基盤となる方を優先しましょう。

住民票を二拠点目に移すメリットとしては、その自治体の公共サービスや移住支援制度を受けられることがあります。たとえば地方の移住支援金やリフォーム補助金などは、住民票移動が支給条件になっている場合が多いです。

一方デメリットとして、元の拠点で受けていたサービス(自治体独自の施設割引等)が受けられなくなる場合もあります。ただ、実際に名古屋市→名護市(二拠点目)へ住民票を移した方は「特に大きなデメリットは感じない」と話しています​。郵便物も必要に応じて転送できますし、大きな支障はなかったようです。

住民税

次に住民税についてですが、原則として住民税は住民票のある自治体に納めることになります​。そのため1月1日時点で住民票を置いた側の市区町村に翌年度の住民税を支払う形です。税率は全国ほぼ一定なので、どちらに住民票を置いても税額に大差はありません。ただし注意すべきは、二拠点生活では住民票がない側の自治体からも一部課税される場合がある点です。

なお、著者である私も以前に横浜と東京で二拠点生活をしていましたが、住民票があった東京でのみ住民税を払っていました。そのため、住民税の二重払いはレアなケースであると考えています。

具体的には、住民税の「均等割」(定額分)が二拠点目の自治体から課されるケースがあります。これはその市町村内に家屋敷を所有している人(賃貸でも居住実態がある人)には均等割を課税するというルールによるものです。つまり、住民票を置いた自治体に所得割+均等割、セカンドハウスの自治体に均等割のみ納める形になり、結果的に住民税を二重に払う形になります​。

もっとも均等割は年額5千円程度(自治体による)と大きな額ではありませんが、こうした税負担も場合によってはあることは把握しておきましょう。なお、住民票を動かす場合は運転免許証などの住所変更も忘れずに行う必要があります。手続きとしては住民票を移した後、新住所を示す書類を持って免許の住所変更届をする流れです。

年金・保険・選挙人名簿なども住民票に基づくので、二拠点生活を始める際は各種住所手続きも計画しておくと安心です。

定年後・老後の二拠点生活はどうなる?

定年退職後に二拠点生活を始めるシニア世代も増えています。前述のように、現役世代では20~30代が多いデュアルライフですが、老後の暮らし方として地方と都会の二拠点居住に可能性を感じる人も少なくありません。

60代以上になると平日の拘束も減り時間に余裕ができるため、都会と田舎を行き来する「二地域居住」ライフを満喫できる下地があります。 例えば、夏は北海道など涼しい地域で過ごし、冬は都市部のマンションに戻るといった季節による住み分けは、シニアにとって快適な暮らし方の一つです。暑さ寒さの厳しい時期を別の拠点で避けることで、体への負担を減らし健康的に過ごせるメリットがあります。

実際に69歳から埼玉県と神奈川県茅ヶ崎で二拠点生活を始めた女性デザイナーの例では、少し暮らした後に病気が見つかったものの、術後は海辺の町・茅ヶ崎で静かな時間を過ごし「後悔のない暮らしを一層意識するようになった」と語っています​。

月に1週間程度しか滞在しない拠点に家賃を払い続けるのは贅沢とも言えますが「そのお金を将来に取っておくより今の自分を元気づけるために使うことを選んだ」との言葉には、老後を楽しむ二拠点生活の本質が表れています。 ただし老後は収入面で現役時代より制約があるため、無理のない計画と余裕ある資金準備が重要です。

年金だけで二拠点生活が維持できるか、医療機関へのアクセスは大丈夫か、といった現実的な点も考慮しましょう。逆に言えば、現役のうちからプチ移住を試しておき、退職後に本格的に移行するという段階的なアプローチは成功しやすい方法です。

子育て世代の二拠点生活 – 教育と家族の視点

子育て家庭で二拠点生活をするケースも増えています。メリットの章で触れたように、自然豊かな環境を子どもに経験させられるのは大きな魅力です。都会では味わえない川遊びや虫捕り、星空観察などを通じて、子どもの好奇心や学びの幅が広がります。また週末だけ田舎に行くスタイルであれば、平日は都会の学校・塾に通い、休日は田舎で伸び伸び遊ぶというハイブリッドな子育ても可能です。

一方で、子どもの学校や友達の問題は慎重な対応が必要です。平日は都市・週末は地方という形なら基本的に主たる学校は一つですが、長期休暇中に地方の学校に体験入学させたり、思い切って二拠点それぞれで学校に通わせるご家庭もあります。

実際、千葉県と新潟県湯沢町で家族二拠点生活をしているある家庭では、子ども達を両方の小学校に通わせるという選択をしています。この家庭では「区域外就学制度」を利用し、都会と雪国それぞれの学校で学ぶことで、教育面でも二地域の良いとこ取りを実現しているとのことです。

ただしこのようなケースは特殊で、子どもにとって負担が大きくないか、学習面で遅れが出ないかなど綿密なフォローが求められます。 一般的には、子どもの生活拠点は一つに定め、二拠点目はあくまで家族の余暇拠点として活用する方が無理がありません。

週末田舎暮らしであれば子どもの学校や友達関係への影響も少なく、家族のレジャー感覚で続けられます。親がリモートワークなら夏休みなどにまとめて地方で過ごす「ワーケーション」に近いスタイルも取りやすいでしょう。 子育て世代に二拠点生活を成功させる秘訣は、家族全員の合意と楽しめる工夫です。

親だけが田舎に夢中で子どもは退屈…では長続きしません。現地で子どもも参加できるイベントや体験活動に積極的に参加したり、都会にはないペット(ヤギやニワトリなど)を飼ってみたり、家族で「二拠点目プロジェクト」を楽しむぐらいの姿勢が大切です。家族にとって幸せな第二の暮らしとなるよう、無理のない範囲で取り組みましょう。

一人暮らしで二拠点生活は可能?

単身者(一人暮らし)が二拠点生活をすることももちろん可能です。むしろ家族の調整が不要な分、フットワーク軽く挑戦しやすいでしょう。実際、独身の20~30代で都市と地方を行き来している人も多くいます​。仕事がリモート可であれば、平日は静かな地方で作業し、週末だけ都会に戻って友人と会うといったライフスタイルもできます。

一人暮らしの二拠点生活のメリットは、自分のペースで自由に動けることです。家族の予定に縛られず、自分の好きなタイミングで好きな場所に滞在できます。人間関係のストレスから離れてリセットする場所として二拠点目を活用するのも良いでしょう。

しかし気を付けたいのは、孤独感や防犯面です。知らない土地で単身生活となると、最初は知り合いもおらず寂しさを感じるかもしれません。また留守中の家を管理する人が他にいないため、防犯や災害時の対策は自分で講じる必要があります。

人付き合いが好きな人なら現地でコミュニティに飛び込んでしまう手もありますが、内向的な人だと二拠点目で孤独を深めてしまう恐れもあります。既存の友人との距離が離れ、疎遠になるとの指摘もありました​。 そこで単身で始める場合は、シェアハウス型の二拠点やサブスクサービスを利用するのも一案です。誰かと顔を合わせる環境に身を置くことで適度な交流が生まれ、孤立感を和らげられます。

また、一人暮らしで二拠点目に長く滞在するときは家族や友人に行き先を伝えておく、安全対策グッズを導入する等の工夫も大事です。 まとめると、単身の二拠点生活は最も身軽に始められる反面、寂しさ対策や自己管理能力が問われます。うまく軌道に乗れば「自分だけの充実した二地域ライフ」が手に入るので、興味があれば小さく試してみる価値は十分あります。

二拠点生活の体験談から見る現実と後悔しないポイント

実際に二拠点生活を送っている人たちの体験談には、夢だけではないリアルな声が詰まっています。その中から浮かび上がる「後悔したこと」「やって良かったこと」を知っておくと、自分の計画にも活かせます。

先輩たちの体験談・リアルな声

「費用が想像以上にかかった…」

地方での生活費は安いと思っていたら、結局トータルでは支出増になったという声です。「家賃や光熱費が二重にかかるし、行き来の交通費が積もって大変だった」と感じる人は多くいます​。特に趣味に夢中で二拠点を始めた30代の方は「10年で家賃と交通費に支払った総額を考えるとゾッとする(笑)」と語っています。費用面の綿密な試算なしに始めてしまうと、後から金銭的負担に悩まされる現実があるようです。

「移動が疲れて続かなかった」

憧れで始めたものの、往復の移動で毎回疲れてしまい挫折したという体験談です。特に遠距離(二拠点間が新幹線で3~4時間など)の場合、「移動だけでぐったり」「行くのが面倒になった」との声があります​。最初は非日常の旅気分でも、それが日常になると負担に感じてしまうパターンです。「移動時間や頻度は想定以上に生活リズムに影響する」との指摘は重く受け止めるべきでしょう。

「地元に馴染めず孤独を感じた」

地方側の拠点で地域に溶け込めず寂しい思いをしたという話もあります​。近所付き合いが希薄で挨拶程度しか交流がないままだったり、逆に濃密な人間関係を求められて戸惑ったりとケースは様々です。また都会側の友人と距離ができ、「疎外感を感じた」「話題についていけなくなった」といった声もあります​。人間関係の変化は見落としがちなポイントで、孤独対策やコミュニティ作りも課題になることが分かります。

一方で、「二拠点生活を始めて人生が豊かになった!」というポジティブな体験談ももちろん多くあります。例えば先述の東京・帯広で10年続けている方は、「お金はかかったがそれを補って余りあるメリットがあった」と言います​。

都会では得られない大自然の中での趣味時間や、人との出会い、新しい仕事のチャンスなど二拠点ならではの恩恵を語る人も少なくありません。また「毎週末旅行に行くようなものだから夫婦仲が良くなった」「子どもが自然大好きになり生き生きしている」といった家族にとってプラスになったエピソードも聞かれます。

後悔しないためのポイント

先人たちの声から学べる、後悔しないためのポイントをまとめます。

① 事前にお試し体験をする

いきなり本格的に始めるのではなく、まずは短期間でも実際に二拠点生活を試してみることです​。想像以上に快適か、逆に大変かを自分の肌で確認することで、「こんなはずじゃなかった…」という大きな後悔を減らせます​。最近では自治体が主催する「お試し移住体験住宅」もありますので活用しましょう。

例えば栃木県真岡市では1泊2,000円・1ヶ月30,000円で古民家に滞在できる移住体験施設を用意しています。こうした制度やサービスを利用し、いきなり本契約せず試すのが賢明です。

② コストと予算管理を徹底する

二拠点生活にかかる費用を事前に洗い出し、綿密に予算を組んでおきましょう。家賃や交通費はもちろん、二重生活による細かな出費(消耗品の追加購入、外食費増など)も見込んでおくことです。毎月の収支シミュレーションを行い、「何年続けたらいくら必要か」を把握しておけば金銭面の不安が軽減します。

また、なるべく固定費を減らす工夫(格安物件を選ぶ・シェアハウスにする等)や、副業で収入を増やす工夫も検討しましょう。費用面の計画がしっかりしていれば、心理的な安心感から生活も安定しやすくなります。

③ 移動負担を軽減する

やはり移動疲れで挫折するのは避けたいところです。二拠点目は近場に設定する、荷物は各拠点に置いて身軽に移動できるようにする、たまには長期滞在して移動回数自体を減らす等の工夫をしましょう​。

新幹線や飛行機を使う距離なら回数券・マイルを駆使して金銭面の負担も減らすことも大事です。移動時間を仕事や趣味に使えるよう、Wi-Fi環境を整えて「移動オフィス化」する猛者もいます。発想を転換して移動時間を有効活用できれば、負担ではなく有意義な時間に変えられるかもしれません。

④ 物件選びのポイントを押さえる

二拠点目の住まい選びは慎重に。理想は「身軽に使えて維持費が安い物件」です。具体的には、マンションやアパートの賃貸なら管理もお任せでき維持費も低めで済みます​。逆に古民家など一戸建ては魅力的ですが維持管理に手間と費用がかかるので、自分にその余力があるか考えましょう​。

また、防犯面ではオートロックや近隣に知り合いがいる環境だと安心です。生活インフラ(スーパー・病院など)が近くに揃っているかもチェックし、拠点間で持ち物をなるべく重複させないで済む環境(例えば家具付き物件や共有設備充実のシェアハウス)だと負担が減ります。

⑤ 人間関係にも配慮する

二拠点生活ではコミュニケーションのバランスが重要です。新しい地域では挨拶や地域行事への参加など基本的なことを疎かにせず、信頼関係作りに努めることが後悔しないポイントです。地元の人からすると「週末だけ来る人」に最初は構えてしまうこともあるので、誠実な態度で少しずつ関係を築きましょう。

一方、もとの友人や家族とも定期的に連絡を取り、距離ができないよう心掛けます。「最近どう?」とオンラインで雑談するだけでも違います。帰省時にはお土産話をして盛り上げるなど、二拠点生活をネタにむしろ関係を深めるくらいの意識でいると良いでしょう。

以上のようなポイントを押さえて準備・実践すれば、「始めたけど失敗した…」という事態はかなり防げるはずです。先輩たちの経験を参考に、自分なりの工夫を凝らして後悔のない二拠点生活を目指しましょう。

二拠点生活を始めるには?近場からのお試しでステップアップ

では具体的に、二拠点生活を始めるにはどうすれば良いでしょうか。ポイントはいきなり無理せず、小さく試して徐々にステップアップすることです。

1. 近場で週末移住から始める

まずは自宅からアクセスしやすい近場の地域で週末だけ過ごしてみるのがおすすめです。データでも二拠点目の所在地は主な住まいから2時間未満が約6割と、多くの人が近場を選んでいます​。

たとえば東京在住なら、同じ関東圏の山梨・長野・静岡・千葉あたりが人気です。自然が豊かでアクセスも良い場所として、長野県軽井沢町や千葉県房総エリアなどは代表的な近場二拠点候補地です。​近ければ移動も楽で頻繁に行き来できるため、まずはそこで「週末田舎暮らし」の感覚を掴みましょう。慣れてきたら滞在日数を増やしたり、少し遠方にも挑戦したりすれば OK です。

2. 短期レンタルや体験サービスを利用

いきなり家を契約せず、お試し移住サービスやウィークリーマンションなどを活用する手もあります。自治体の体験住宅や、民間でも「1ヶ月◯万円で地方暮らし体験」プランを提供するところがあります。

また最近はホテルが月額で借りられるプラン(いわゆる住めるホテル)も登場していますので、そういったものを利用してみるのもいいでしょう。「いきなり家を借りるのはハードルが高い…」という場合は、まず荷物一つで泊まれる形から始めると気楽です。

3. 行きたい地域を比較・検討する

二拠点生活とはいえ、どの地域を選ぶかで満足度は大きく変わります。複数の候補地に実際に足を運んで比較しましょう。「海の近くで暮らしたい」「雪のある生活をしてみたい」「実家に近いところが良い」など人によって希望条件は様々です。

例えばサーフィンが趣味なら千葉県九十九里浜エリア、スキーが好きなら新潟県湯沢町や長野県白馬村、夏の涼しさ重視なら北海道…という具合に、自分の優先順位に沿って絞り込んでいきます。現地の不動産屋や移住相談窓口に相談するのも有効です(最近はオンライン相談も可能)。色々と比較・検討するプロセス自体が新たな発見に繋がり、理想のデュアルライフ像が具体化してくるでしょう。

4. 家族や周囲ともしっかり話し合う

自分一人の計画でも、家族や職場など周囲の理解があると断然進めやすくなります。家族がいる場合は全員の意見を出し合い、「近場から始めてみよう」「将来は移住も視野に入れようか」など方向性を共有しておきましょう。

単身の場合も、親しい友人や親族に二拠点生活を始める旨を伝えておけば緊急時の備えにもなります。職場にもテレワーク制度の活用などを相談し、必要なら勤務地変更や長期休暇制度など検討してみましょう。

5. 小さくスタートし徐々に拡大

以上を踏まえて準備ができたら、まずは小さくスタートしてみます。例えば「月に1回・お気に入りの町で過ごす」といった頻度から始めて、問題なければ「月2回、毎週末に」と増やしていくイメージです。

拠点も最初は1ヶ所、慣れたら別の候補地にも手を広げて複数拠点を試すのも良いでしょう(まさにサブスクサービスの得意分野です)。最初から完璧を目指さず、トライアンドエラーで柔軟に調整していくことで、自分に合ったペースが見えてきます。実際にやってみると、新たな課題も出てきますが、それも順応・改善しながら進めていきましょう。

自分らしい二拠点生活で豊かな暮らしを【まとめ】

二拠点生活は、「こんな暮らし方もあったのか!」という新しい発見と可能性を与えてくれます。都市と田舎の両方を味わえる贅沢さは何にも代え難い魅力ですが、その裏側には費用や労力といった現実面の準備も必要でした。

メリット・デメリットや先人たちの声を踏まえて計画すれば、きっと後悔のない選択ができるでしょう​。 最後にもう一度強調したいのは、「無理せず自分に合った形で楽しむ」ことです。二拠点生活のスタイルは人それぞれで正解はありません。月に数回行くだけでも良し、半々で住んでも良し、季節で住み分けても良しです。大切なのはあなたとあなたの家族が笑顔で過ごせること。そのために必要な知識をつけ、先人たちの話に耳を傾け、実際に気になる地域を訪れてみることが第一歩です​。

ぜひ本記事を参考にしつつ、自分らしい二拠点生活プランを検討→比較→相談→行動してみてください。行動に移したその先には、きっと新たな充実ライフが待っています。あなたも二拠点生活で、自分らしい豊かな暮らしを実現しましょう!

≫ 小樽市移住のメリットとデメリットとは?住みやすさを徹底調査

Follow me!

PAGE TOP