小樽を旅するあなたに、ぜひ散策してほしいのが花園エリアです。昼は行政の中心地であり、夜は小樽一番の盛り場でもある不思議な街が花園エリアです。この記事を読んで花園エリアを巡ると、かつては北海道随一の商業都市だった小樽の繁栄と衰退、そして観光地としての復活をあなたは肌で感じることができるでしょう。
小樽市花園エリアは昼の顔と夜の顔がこんなに違う!
小樽市花園エリアの不思議な魅力は、昼と夜のギャップです。行政の中心地が昼の顔。
市役所、図書館、消防署、裁判所、学校などが集まって市民の生活を支えます。夜の顏は小樽随一の歓楽街。スナックや居酒屋、料亭、寿司屋などが軒を連ね、観光客や市民の胃袋を満たし、欲求に応えるのが花園エリアです。
小樽市花園を散策、昼の顔は?
花園エリア昼の顔と言えば、小樽市役所。「市役所なんてどこにでもある」などと言わないでください。小樽市役所本館は昭和8年に竣工した由緒ある建物です。『小樽市指定歴史的建造物」にもなっています。
昭和初期に財を成した多くの成功者は、江戸時代の終わりから明治にかけて北陸方面から入植した人やその子孫です。自分たちを育ててくれた小樽へ恩返ししたい。そんな思いで寄付した人が多かったのです。
《花薗エリア昼の顔:2丁目、4丁目、5丁目の特徴》
丁目 | 特徴 | 主な施設など |
花園2丁目 | 役所関係が多く行政の中心 | 市役所、消防署、図書館、水道局、 マンション多数 |
花園4丁目 | 学校と住宅街 | 花園小学校、菁園中学校、弁護士事務所、 スポーツクラブ |
花園5丁目 | 公園と各種施設 | 公園、裁判所、公会堂、総合体育館、野球場 |
小樽市役所内の知られざる名店とは?
小樽市役所別館1階には知られざる名店があります。観光客の方はほぼ知らないと思いますので、今回はあなただけに、そっと教えましょう。その名は『さもん食堂』。本格的に修行を積んだ和食の板前さんが経営していて、安くて美味しいと小樽市民には評判になっています。メニューは各種定食、麺類、カレーなど豊富で価格は500円~700円に設定され、お財布にはやさしいお店です。
飲み屋街の花園1丁目が夜の顔?
小樽で『夜の顏』と言えば花園1丁目エリアが、その象徴的な存在です。国道5号線の北側に位置し、JR函館線の線路が大きく蛇行するあたりから公園通りまでが花園1丁目になります。
もう一つの特徴は、派手さやきらびやかさがないことです。例えば、札幌ススキノのように派手なネオンもなければ大きなビルもありません。平屋建と二階建てが主で、せいぜい3階建てが目立つ程度。
《花園エリア夜の顔:1丁目、3丁目の特徴》
丁目 | 街の特徴 | 店舗や施設 |
花園1丁目 | スナックだけで100件以上あり、小樽一の歓楽街 | 商店、スナック、寿司屋、居酒屋など |
花園3丁目 | 商店と飲食店が同居 | 居酒屋、ラーメン店、携帯電話店など |
飲食店に囲まれた古いアパートが花園名物?
そして、とてもユニークなのが、この歓楽街には飲食店に囲まれた古アパートが何軒もあることです。明らかに昭和時代に建てられたと思われるアパートばかりですが、多くの部屋には人が住んでいます。また、「えっ、こんなところに!」と思うような、1戸建て住宅が何軒かあるのも驚きです。あなたも歩いてみると、きっと不思議な花園に出会うでしょう。
花園の町名は京都に由来する?
花園の町名には古風で優雅な響きがあります。佐藤圭樹氏の『小樽 散歩案内』にあるとおり、由来は京都にあると考えられていますが、はっきりと証明できる書物などは存在しません。花園と名づけられたのは1884年(明治17年)です。この後、開発は進み花園公園(小樽中央公園)が造成されます。公園内には三つの丘陵があり、それぞれ『嵐山』『東山』『西山』と名づけられました。また、花園2丁目から1丁目を縦断する通りは『嵐山通り』と命名されています。
昔ながらの花園銀座通りは魅惑でいっぱい!
北海道小樽市を代表する老舗が立ち並び、昼も夜も買い物客や観光客でにぎわうのが花園銀座通り。通称『花銀通り』と呼ばれ、小樽市民から親しまれています。公園通りからアーケード街の都通りまで、花園1丁目を横断する商店街です。通りには寿司屋、かまぼこ店、和菓子屋、ラーメン店、ジンギスカン店、喫茶店、額縁専門店などなど、個性豊かな店が軒を連ねています。
ここからは、花銀通りの魅力をお伝えしますので、ぜひ立ち寄ってみて下さい。
花銀通り、魅惑のスポットは?
なだらかな坂道に数十軒の商店が並ぶ『花銀通り』は、小樽でも指折りの商店街です。
その中から、いくつか魅惑のスポットを紹介します。
高級かまぼこの店『かま栄』
かまぼこの老舗と言えば『かま栄』です。1946年創業の高級かまぼこ屋さんで、今や小樽を代表するブランドに成長しました。北海道内に13店舗を展開し『カニ味』『海老味』『チーズ味』など実に種類が豊富で、本当においしいですよ。かまぼこは日持ちもするので、本州のお土産として人気があります。
串団子が美味しい新倉屋花園本店
串団子で有名な『新倉屋』は間もなく創業130年を迎える、北海道でも有数の老舗です。
どら焼き、中華まんじゅう、カステラ、モナカなど和菓子のレパートリーは豊富ですが、特に有名なのは串団子です。串団子には、みたらし団子、小豆餡、抹茶味餡などがあって、幾通りもの味が楽しめます。観光客と思われる若いお嬢さんが、串団子を頬張りながら歩くのを見かけたら、きっと新倉屋で買ったのでしょう。
昭和の雰囲気が楽しめる『喫茶 コロンビア』
コロンビアの響きが、どこか昭和をしのばせます。花銀通りの『喫茶 コロンビア』は、まさしく昭和の喫茶店です。大きな写真入りのメニューには昭和がずらりと並びます。定番のナポリタン、パフェが数種類、プリンアラモード、ソーダ水など、懐かしい時代を満喫できます。もちろんコーヒーもあるし、食事ではハンバーグ定食とドリアが人気メニューです。
「食」の街・小樽の象徴、寿司屋通りの魅力!
観光都市、北海道小樽市は寿司の街でもあります。観光客に季節の味覚を提供するのが通称『寿司屋通り』に並ぶお寿司屋さんです。正式名は『於古発(おこばち)通り』ですが、今では寿司通りがすっかり定着してしまいました。
老舗と新興店が競う美食スポット寿司屋通り
寿司屋通りには老舗が陣取ります。しかし、平成に入ると新店が次々とオープンしました。今では老舗と新興店が、腕によりをかけて観光客を呼び込みます。
花園公園通りの今昔物語
花園公園の麓から水天宮の大鳥居まで、花園エリアを南北に真っ直ぐ伸びる道が公園通りです。小樽市役所の上にそびえるのが花園公園で、眺めは抜群。小樽中心街から港まで一望でき、その先には豊饒の海、石狩湾が広がります。
公園通りは今でこそ平坦ですが、開墾された明治時代は10mを超える尾根が横たわっていました。尾根を削って平らになった公園通りは、平成の初めごろまで小樽一の繁華街としてにぎわったものです。デパートや映画館が立ち並び、若者から紳士淑女まで買い物、食事、デートと昼夜にかけて人の絶え間がないほどでした。
公園通りの出発点、花園5丁目とは?
公園通りの出発点となっている花園5丁目の大部分は公園で占められていますが、他にも押さえておきたいスポットがありますので紹介しましょう。市役所から曲がりくねった急坂を登っていくと公園の入り口があり、門柱が二本建っています。その向かいにあるのが小樽市公会堂です。瓦に覆われた威風堂々たる和風の屋敷が目を引きます。この建物の誕生秘話が実に興味深いのです。
海運業で財を成した藤山要吉氏がその人。明治期の北海道を支えた小樽商人の財力とキップの良さを示す逸話として語り継がれています。
公会堂に併設された能舞台は誰が造った?
公会堂に併設されているのが能舞台です。これは入船町の岡崎謙邸にあったものを公会堂の移築と同時に併設しました。能舞台の壁に彫られた松と竹の彫刻が実に見事です。これが私邸の一部分だったというのですから驚きます。
花園5丁目と2丁目の分岐点にある『小樽ミルク・プラント』とは?
小樽・夏の風物詩と呼んでも大げさではないのが『小樽ミルク・プラント』です。立地する場所は花園公園の麓で、花園5丁目と2丁目が分岐する地点になります。サイロを思わせる円筒形の特徴ある建物は、かつて牛乳工場でした。現在はソフトクリームを販売する店になっています。
ソフトクリームは安くて本当においしい。280円のレギュラーから770円の夕張メロン超ジャンボまでありますが、350円のロングでもかなりのボリュームです。このお店では食べすぎにご注意ください。
小樽の三大祭り「水天宮祭り」の名物は多数の出店!
小樽市花園エリアを横断する公園通りの終着点は水天宮です。この場所へ最初に神様が祭られたのは1859年(安政6年)というから、江戸時代だったことになります。歴史ある神社なのです。水天宮広場も、花園公園同様に素晴らしい眺めを誇ります。本殿の海側には大きな桜の木がずらりと並び、桜の名所としても有名です。桜は4月下旬からゴールデンウイークにかけて見ごろとなり、小樽市民と観光客が一緒に花見を楽しむ姿は微笑ましいものがあります。
北海道小樽市花園エリアの散策におすすめ!魅惑のスポットは?【まとめ】
北海道小樽市花園エリアの散策におすすめできる魅惑のスポットをご紹介してきました。観光で向かうべきマストな場所から、地元の人たちしか知らない超穴場まで、出てきましたが、この記事を読めば、より小樽を楽しんでもらえるはずです。次回の小樽散策には花園エリアを覗いてみてください。
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