北海道小樽市花園エリアの散策におすすめ!魅惑のスポットは?

小樽市花園 小樽市

小樽を旅するあなたに、ぜひ散策してほしいのが花園エリアです。昼は行政の中心地であり、夜は小樽一番の盛り場でもある不思議な街が花園エリアです。この記事を読んで花園エリアを巡ると、かつては北海道随一の商業都市だった小樽の繁栄と衰退、そして観光地としての復活をあなたは肌で感じることができるでしょう。

 

小樽市花園エリアは昼の顔と夜の顔がこんなに違う!

小樽市花園

小樽市花園エリアの不思議な魅力は、昼と夜のギャップです。行政の中心地が昼の顔。
市役所、図書館、消防署、裁判所、学校などが集まって市民の生活を支えます。夜の顏は小樽随一の歓楽街。スナックや居酒屋、料亭、寿司屋などが軒を連ね、観光客や市民の胃袋を満たし、欲求に応えるのが花園エリアです。

 

小樽市花園を散策、昼の顔は?

花園エリア昼の顔と言えば、小樽市役所。「市役所なんてどこにでもある」などと言わないでください。小樽市役所本館は昭和8年に竣工した由緒ある建物です。『小樽市指定歴史的建造物」にもなっています。

 

特に正面玄関を入ってすぐの中央階段上に見えるステンドグラスが素晴らしい。ヨーロッパの建造物を模しただけあって、玄関を中心に左右対照に広がる白亜の本館内部は1970年代のフランス映画を彷彿させ、一見の価値は十分です。市役所本館の工事は「国際都市小樽にふさわしい市庁舎を」と願う、個人の寄付から始まりました。昭和8年といえば、まだニシンの豊漁が続いていたし、石炭の積み出しや樺太への物資輸送基地としても小樽港は重要な役割を担っていた時代です。

 

昭和初期に財を成した多くの成功者は、江戸時代の終わりから明治にかけて北陸方面から入植した人やその子孫です。自分たちを育ててくれた小樽へ恩返ししたい。そんな思いで寄付した人が多かったのです。

 

《花薗エリア昼の顔:2丁目、4丁目、5丁目の特徴》

丁目 特徴 主な施設など
花園2丁目 役所関係が多く行政の中心 市役所、消防署、図書館、水道局、
マンション多数
花園4丁目 学校と住宅街 花園小学校、菁園中学校、弁護士事務所、
スポーツクラブ
花園5丁目 公園と各種施設 公園、裁判所、公会堂、総合体育館、野球場

 

小樽市役所内の知られざる名店とは?

小樽市役所別館1階には知られざる名店があります。観光客の方はほぼ知らないと思いますので、今回はあなただけに、そっと教えましょう。その名は『さもん食堂』。本格的に修行を積んだ和食の板前さんが経営していて、安くて美味しいと小樽市民には評判になっています。メニューは各種定食、麺類、カレーなど豊富で価格は500円~700円に設定され、お財布にはやさしいお店です。

 

個人的な一番のおすすめは『さば味噌煮定食』。ご飯と味噌汁、小鉢がついて550円とお得感があります。なんといっても、味が天下一品。さば特有の臭みがまるでなく、味噌の味加減が実に絶妙です。昭和時代の定食屋さんに迷い込んだみたいで、レトロな雰囲気も味わえます。

 

飲み屋街の花園1丁目が夜の顔?

小樽で『夜の顏』と言えば花園1丁目エリアが、その象徴的な存在です。国道5号線の北側に位置し、JR函館線の線路が大きく蛇行するあたりから公園通りまでが花園1丁目になります。

 

このエリアの特徴は大小のスナックが入り乱れていることです。この界隈で営業する飲食店は百数十軒に上りますが、おそらくは8割くらいはスナックでしょう。スナックの群れにポツリ、ポツリと居酒屋、ラーメン屋、寿司屋、キャバクラなどが点在しているのです。

 

もう一つの特徴は、派手さやきらびやかさがないことです。例えば、札幌ススキノのように派手なネオンもなければ大きなビルもありません。平屋建と二階建てが主で、せいぜい3階建てが目立つ程度。

 

《花園エリア夜の顔:1丁目、3丁目の特徴》

丁目 街の特徴 店舗や施設
花園1丁目 スナックだけで100件以上あり、小樽一の歓楽街 商店、スナック、寿司屋、居酒屋など
花園3丁目 商店と飲食店が同居 居酒屋、ラーメン店、携帯電話店など

 

飲食店に囲まれた古いアパートが花園名物?

そして、とてもユニークなのが、この歓楽街には飲食店に囲まれた古アパートが何軒もあることです。明らかに昭和時代に建てられたと思われるアパートばかりですが、多くの部屋には人が住んでいます。また、「えっ、こんなところに!」と思うような、1戸建て住宅が何軒かあるのも驚きです。あなたも歩いてみると、きっと不思議な花園に出会うでしょう。

 

花園の町名は京都に由来する?

花園の町名には古風で優雅な響きがあります。佐藤圭樹氏の『小樽 散歩案内』にあるとおり、由来は京都にあると考えられていますが、はっきりと証明できる書物などは存在しません。花園と名づけられたのは1884年(明治17年)です。この後、開発は進み花園公園(小樽中央公園)が造成されます。公園内には三つの丘陵があり、それぞれ『嵐山』『東山』『西山』と名づけられました。また、花園2丁目から1丁目を縦断する通りは『嵐山通り』と命名されています。

 

このようなことから、開発が始まったころの小樽の人々が京都へ憧憬を抱いていたことは明らかです。遠く離れた北海道と京都ですが、江戸時代から北前船による交易は盛んでした。北前船で商いをしていた商人たちから聞いた京都の雅に、小樽の人々は憧れていたのでしょう。

 

昔ながらの花園銀座通りは魅惑でいっぱい!

北海道小樽市を代表する老舗が立ち並び、昼も夜も買い物客や観光客でにぎわうのが花園銀座通り。通称『花銀通り』と呼ばれ、小樽市民から親しまれています。公園通りからアーケード街の都通りまで、花園1丁目を横断する商店街です。通りには寿司屋、かまぼこ店、和菓子屋、ラーメン店、ジンギスカン店、喫茶店、額縁専門店などなど、個性豊かな店が軒を連ねています。

 

ここからは、花銀通りの魅力をお伝えしますので、ぜひ立ち寄ってみて下さい。

 

花銀通り、魅惑のスポットは?

なだらかな坂道に数十軒の商店が並ぶ『花銀通り』は、小樽でも指折りの商店街です。
その中から、いくつか魅惑のスポットを紹介します。

 

高級かまぼこの店『かま栄』

かまぼこの老舗と言えば『かま栄』です。1946年創業の高級かまぼこ屋さんで、今や小樽を代表するブランドに成長しました。北海道内に13店舗を展開し『カニ味』『海老味』『チーズ味』など実に種類が豊富で、本当においしいですよ。かまぼこは日持ちもするので、本州のお土産として人気があります。

 

串団子が美味しい新倉屋花園本店

串団子で有名な『新倉屋』は間もなく創業130年を迎える、北海道でも有数の老舗です。
どら焼き、中華まんじゅう、カステラ、モナカなど和菓子のレパートリーは豊富ですが、特に有名なのは串団子です。串団子には、みたらし団子、小豆餡、抹茶味餡などがあって、幾通りもの味が楽しめます。観光客と思われる若いお嬢さんが、串団子を頬張りながら歩くのを見かけたら、きっと新倉屋で買ったのでしょう。

 

昭和の雰囲気が楽しめる『喫茶 コロンビア』

コロンビアの響きが、どこか昭和をしのばせます。花銀通りの『喫茶 コロンビア』は、まさしく昭和の喫茶店です。大きな写真入りのメニューには昭和がずらりと並びます。定番のナポリタン、パフェが数種類、プリンアラモード、ソーダ水など、懐かしい時代を満喫できます。もちろんコーヒーもあるし、食事ではハンバーグ定食とドリアが人気メニューです。

 

店内のゆったりとしたシートに身を沈めると、まだ若いあなたは別世界に迷い込んだ気分になって、エキゾチックな感情に駆られるかもしれません。それも一人旅の醍醐味です。しばし、空想に浸るのも良いでしょう。

 

「食」の街・小樽の象徴、寿司屋通りの魅力!

観光都市、北海道小樽市は寿司の街でもあります。観光客に季節の味覚を提供するのが通称『寿司屋通り』に並ぶお寿司屋さんです。正式名は『於古発(おこばち)通り』ですが、今では寿司通りがすっかり定着してしまいました。

 

元はといえば、通り沿いに店舗を構える政寿司や大和屋、日本橋など5軒が1987年(昭和62年)『寿司屋通り名店会』を立ち上げたことに始まります。小樽市がその後、観光都市へと変貌したこともあり、今では花園1丁目から堺町通りにかけて多くの寿司屋が軒を連ねます。

 

老舗と新興店が競う美食スポット寿司屋通り

寿司屋通りには老舗が陣取ります。しかし、平成に入ると新店が次々とオープンしました。今では老舗と新興店が、腕によりをかけて観光客を呼び込みます。

 

於古発川をはさんで路の両サイドには、新旧入り混じって寿司店が競い合っていますが、北海道名物ジンギスカンの看板も目につきます。また、一歩横丁に入ると焼き肉店や小料理屋、天ぷら専門店もあって、美食家にはたまらない街です。小樽へ旅したら、寿司屋通りの素通りだけはもったいないですよ。

 

花園公園通りの今昔物語

花園公園の麓から水天宮の大鳥居まで、花園エリアを南北に真っ直ぐ伸びる道が公園通りです。小樽市役所の上にそびえるのが花園公園で、眺めは抜群。小樽中心街から港まで一望でき、その先には豊饒の海、石狩湾が広がります。

 

北東の方向には石狩と空知の山々が日本海を包み込むように雄冬岬まで連なり、夏は深い緑に冬は純白に輝いて人々の目を奪うのです。

 

公園通りは今でこそ平坦ですが、開墾された明治時代は10mを超える尾根が横たわっていました。尾根を削って平らになった公園通りは、平成の初めごろまで小樽一の繁華街としてにぎわったものです。デパートや映画館が立ち並び、若者から紳士淑女まで買い物、食事、デートと昼夜にかけて人の絶え間がないほどでした。

 

公園通りの出発点、花園5丁目とは?

公園通りの出発点となっている花園5丁目の大部分は公園で占められていますが、他にも押さえておきたいスポットがありますので紹介しましょう。市役所から曲がりくねった急坂を登っていくと公園の入り口があり、門柱が二本建っています。その向かいにあるのが小樽市公会堂です。瓦に覆われた威風堂々たる和風の屋敷が目を引きます。この建物の誕生秘話が実に興味深いのです。

 

1911年(明治44年)のことでした。当時の皇太子であり、のちの大正天皇が北海道行啓の途中、小樽へ二泊することになったのです。ご一行のわずか二泊のために『御旅館』として建てられたのがこの和風建築でした。さらに驚くのは、建築費の全額を一人の個人が負担したことです。

 

海運業で財を成した藤山要吉氏がその人。明治期の北海道を支えた小樽商人の財力とキップの良さを示す逸話として語り継がれています。

 

公会堂に併設された能舞台は誰が造った?

公会堂に併設されているのが能舞台です。これは入船町の岡崎謙邸にあったものを公会堂の移築と同時に併設しました。能舞台の壁に彫られた松と竹の彫刻が実に見事です。これが私邸の一部分だったというのですから驚きます。

 

夏季には公会堂も能舞台も無料で一般公開されます。観光で小樽に来たあなたにおすすめのスポットです。古い屋敷に一人たたずみ耳を澄ませば、はるか明治の活気が聞こえてくるかもしれません。

 

花園5丁目と2丁目の分岐点にある『小樽ミルク・プラント』とは?

小樽・夏の風物詩と呼んでも大げさではないのが『小樽ミルク・プラント』です。立地する場所は花園公園の麓で、花園5丁目と2丁目が分岐する地点になります。サイロを思わせる円筒形の特徴ある建物は、かつて牛乳工場でした。現在はソフトクリームを販売する店になっています。

 

ちょっと奥まった場所にあり、目に付きにくいのですが知る人ぞ知る名店です。7月8月の休日は、これぞまさしく行列のできる店。道の両側は札幌ナンバーはもちろん、旭川、室蘭、函館、釧路など、北海道中のナンバーを付けた車であふれかえります。

 

ソフトクリームは安くて本当においしい。280円のレギュラーから770円の夕張メロン超ジャンボまでありますが、350円のロングでもかなりのボリュームです。このお店では食べすぎにご注意ください。

 

小樽の三大祭り「水天宮祭り」の名物は多数の出店!

小樽市花園エリアを横断する公園通りの終着点は水天宮です。この場所へ最初に神様が祭られたのは1859年(安政6年)というから、江戸時代だったことになります。歴史ある神社なのです。水天宮広場も、花園公園同様に素晴らしい眺めを誇ります。本殿の海側には大きな桜の木がずらりと並び、桜の名所としても有名です。桜は4月下旬からゴールデンウイークにかけて見ごろとなり、小樽市民と観光客が一緒に花見を楽しむ姿は微笑ましいものがあります。

 

水天宮を紹介するのに欠かせないのは『水天宮祭り』です。龍宮神社祭り、住吉神社祭りとともに小樽三大祭りと称され、毎年、6月14日から3日間開催されます。『水天宮祭り』の名物は、大鳥居の前から国道5号線にかけて公園通りに並ぶ多くの出店。最盛期には200店近くも並び、とても壮観でした。最近は少子化による人口減少の影響が大きく、出店数は減っています。それでも、2022年開催のお祭りには40数店が軒を並べました。

 

北海道小樽市花園エリアの散策におすすめ!魅惑のスポットは?【まとめ】

北海道小樽市花園エリアの散策におすすめできる魅惑のスポットをご紹介してきました。観光で向かうべきマストな場所から、地元の人たちしか知らない超穴場まで、出てきましたが、この記事を読めば、より小樽を楽しんでもらえるはずです。次回の小樽散策には花園エリアを覗いてみてください。

 

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